中世・ルネサンス復元楽器によるアンサンブル
ベル・エキップ古楽合奏団

大森ヒデノリ(フィーデル)
三輪典子(ビオラ・ダ・ガンバ)
高本一郎(リュート)
配島友子(リコーダー)
田中良太(パーカッション)
丸谷晶子(ソプラノ)

ベルエキップとはフランス語で「楽しき仲間、よき仲間」という意味です。私たちのレパートリーは、ヨーロッパ中世、ルネサンスの音楽や各国の伝承曲などシンプルで素朴な音楽ですが、それぞれの時代や地域おいて普段の生活の中で自然に演奏され、楽しまれてきたものでした。私達が現代日本で再現する、この「生活の唄」を耳にして下さった皆さんと「よき仲間」になれればと名付けました。
シェイクスピアが活躍した時代に劇場で民衆を楽しませたルネサンス・イングランドの歌曲や器楽曲、今日まで何百年にもわたって伝承されているイングランドの民謡や舞曲、さらに時代を遡って「トゥルバドゥール」と呼ばれた吟遊詩人の唄や中世の騎士や民衆にうたわれた世俗歌曲、その当時に宮廷で踊られた「エスタンピ」とよばれる中世の舞曲。このような音楽が私達のレパートリーの中心です。
洋なしをたてに割ったような形でギターのように演奏する「リュート」、当時の大道芸人が演奏したヴァイオリンの祖先にあたる「中世フィドル」、宮廷でもてはやされチェロのように演奏する「ヴィオラ・ダ・ガンバ」など・・・復元された楽器は素朴でどこか懐かしい響きがします。
コンサートのあとで「これまでに耳にしたことのない新鮮な音楽だった。」とお客さんに言われることがよくあります。それは音色もさることながら、クラシックや近代の音楽の様式が成立する過程で切り捨てられていった、モード(旋法)やハーモニーなどの音楽的要素が中世やルネサンスの音楽に残っているからに違いありません。今を生きる私たちの耳には、これらが新しいものに聞えるのかもしれません。
主宰の 大森ヒデノリ はこのような古楽を再現し編曲、演奏するために地道な活動を続けてきました。そしてそのノウハウを自分の作曲技法として生かし、創作したオリジナル楽曲をベル・エキップのコンサートやレコーディングで発表しています。本当の意味で「生活の唄」を実現するためには、いま自分自身の生活の中でおきた事や その体験を通して感じた想いを聴き手と共有するしかないと考えているからです。
私たちのメンバーは関西の若手の古楽器演奏家が中心です。それぞれが世界に通用するエキスパートになるべく演奏活動と研鑽を日々かさねています。そんな私たちが一音にまでこだわって演奏する心地よい音色に耳を傾けてみてください。

ベルエキップ古楽合奏団
主宰 大森 ヒデノリ


おもな使用楽器について

フィーデル
 中世にジョングルールと呼ばれた大道芸人によって演奏された、現在のヴァイオリンの先祖にあたる楽器です。ヴァイオリンにくらべて表面板、裏板のつくりは平板で、楽器の造りそのものもシンプルです。使用されているガット弦は羊の腸の皮(ソーセージの皮にも使われます)を素材としており、素朴な音色を発します。

リュート
 中世・ルネサンスから初期バロック期にかけて活躍した この洋梨を半分に割ったような楽器は、ギターやマンドリンの遠い先祖にあたります。もともとアラブ、ペルシャで中世から演奏されている、ウードという楽器がヨーロッパ(西)に伝わり、変化したものだと考えられています。ちなみにこのウードがシルクロードを通って、中央アジア、中国、そして日本(東)に伝わって変化したものが、琵琶になったと考えられています。
 現在のギターと違う点は、金属製のフレットが指板に打たれる代わりに可動式のガットを巻いていること。また、ギターが6弦なのに対して多数の弦をもつことなどです。例えば7コース・リュートは2本ずつ6組の複弦と1本の単弦、合計13本の弦が張られています。独奏、合奏や歌の伴奏など幅広い演奏形態で使用され、現在のピアノ以上に重要な役割をもっていました。

ヴィオラ・ダ・ガンバ(ヴィオール)
 イタリア語で「膝の弦楽器」の意で、その名のとおり膝に挟んで演奏します。現在のコントラバスやチェロの祖先にあたる楽器ですが、やはりガット弦が張られており、ネックにはリュートと同じようにガット製のフレットが巻かれています。また、チェロが4弦なのに対してヴィオールは6弦です。おもにトレブル(ソプラノ)、テナー、バスと3種類のサイズがあり、音域によって使い分けます。独奏からアンサンブルまで幅広い形態で使用され、ルネサンスから初期バロック期にかけて活躍しました。

リコーダー
 20世紀に教育を目的として復興され現代でも馴染みの深いこの楽器は、ルネサンス、バロック当時の音楽には欠かせない楽器でした。特にバロック期にはテレマンをはじめとする大作曲家によって芸術的なソナタやコンチェルトが多数作曲されており、独奏楽器として脚光を浴びていました。ソプラニーノからコントラバスまで様々なサイズがあります。

ソプラノの唱法について
 近代以降、劇場など演奏会場が大規模になっていきます。それに伴い大きな声で発声するための、そして遠くへ声をとどかせるための唱法が発達してきました。イタリアオペラで全盛を迎える「ベル・カント唱法」がそのさいたるものです。たとえばオペラでよく耳にする「ビブラート」(声を震わせる技術)もそのひとつです。一般的にはクラシックの歌といえば、このようなイメージがありますが、バロック以前にはこれとは違った発声の仕方がありました。あまりビブラートを使用しないとか、本来声の持つ音色を大切にするような唱法です。


サンプル音源

1. カタロニアの踊り / 作者不詳(スペインの舞曲)
2. 麗しのチャーリー
/ 作者不詳(スコットランドのスロー・リール)
3. ステインのモリス
/ 作者不詳(イングランドのカントリー・ダンス)
4. タールトンの復活 〜 ケンプ氏のジグ
/作者不詳(イングランドのダンス)
5. モリスコー
/ 作者不詳(ルネサンス期の舞曲)


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