フィーデル
中世にジョングルールと呼ばれた大道芸人によって演奏された、現在のヴァイオリンの先祖にあたる楽器です。ヴァイオリンにくらべて表面板、裏板のつくりは平板で、楽器の造りそのものもシンプルです。使用されているガット弦は羊の腸の皮(ソーセージの皮にも使われます)を素材としており、素朴な音色を発します。
リュート
中世・ルネサンスから初期バロック期にかけて活躍した この洋梨を半分に割ったような楽器は、ギターやマンドリンの遠い先祖にあたります。もともとアラブ、ペルシャで中世から演奏されている、ウードという楽器がヨーロッパ(西)に伝わり、変化したものだと考えられています。ちなみにこのウードがシルクロードを通って、中央アジア、中国、そして日本(東)に伝わって変化したものが、琵琶になったと考えられています。
現在のギターと違う点は、金属製のフレットが指板に打たれる代わりに可動式のガットを巻いていること。また、ギターが6弦なのに対して多数の弦をもつことなどです。例えば7コース・リュートは2本ずつ6組の複弦と1本の単弦、合計13本の弦が張られています。独奏、合奏や歌の伴奏など幅広い演奏形態で使用され、現在のピアノ以上に重要な役割をもっていました。
ヴィオラ・ダ・ガンバ(ヴィオール)
イタリア語で「膝の弦楽器」の意で、その名のとおり膝に挟んで演奏します。現在のコントラバスやチェロの祖先にあたる楽器ですが、やはりガット弦が張られており、ネックにはリュートと同じようにガット製のフレットが巻かれています。また、チェロが4弦なのに対してヴィオールは6弦です。おもにトレブル(ソプラノ)、テナー、バスと3種類のサイズがあり、音域によって使い分けます。独奏からアンサンブルまで幅広い形態で使用され、ルネサンスから初期バロック期にかけて活躍しました。
リコーダー
20世紀に教育を目的として復興され現代でも馴染みの深いこの楽器は、ルネサンス、バロック当時の音楽には欠かせない楽器でした。特にバロック期にはテレマンをはじめとする大作曲家によって芸術的なソナタやコンチェルトが多数作曲されており、独奏楽器として脚光を浴びていました。ソプラニーノからコントラバスまで様々なサイズがあります。
ソプラノの唱法について
近代以降、劇場など演奏会場が大規模になっていきます。それに伴い大きな声で発声するための、そして遠くへ声をとどかせるための唱法が発達してきました。イタリアオペラで全盛を迎える「ベル・カント唱法」がそのさいたるものです。たとえばオペラでよく耳にする「ビブラート」(声を震わせる技術)もそのひとつです。一般的にはクラシックの歌といえば、このようなイメージがありますが、バロック以前にはこれとは違った発声の仕方がありました。あまりビブラートを使用しないとか、本来声の持つ音色を大切にするような唱法です。